庭と暮山⑨:ついに庭が完成!オマケは気遣いのプレゼント

-前回までのあらすじ-

これは少し前に暮山夫妻が中東某国内で引越しをしたときの話。

訳あって暮山が新居を実際に目にしたのは引越し前日になってから。

荒れ果てた砂地のような庭はそのままに、まずは家の中を整える。

生活が落ち着いてから造園業者とのコンタクトを図ってみたものの、先方からの返信は軒並み今にいたるまで受信していない(2021年6月29日現在)。

見かねた夫が接触した業者からはなぜか即座に返信があり、業者のおじさんのていねいで誠実な対応が気に入った暮山はすぐに発注を決める。

作業当日、作業員たちが2mの柵を軽々と飛び越えて庭に侵入してきたことに驚きをかくせない暮山だったが、彼らにとっては日常の一コマにすぎない模様であった。

指示を出してどこかへと去って行ったおじさんから、『作業員に水をあげてほしい』とお願いされた暮山。

たびたび作業員たちの様子を伺い、適宜ペットボトルの水を冷蔵庫で冷やしつつリビングの窓辺とキッチンを往復し続ける。

男子運動部のマネージャーになった設定を妄想するものの、実態はマネージャーというよりは『お母さん』に限りなく近づいてゆくのであった。



(前回の記事はこちら→ 庭と暮山⑧:気分はマネージャー⁉︎炎天下で働く作業員に差し入れを! )

(「庭と暮山編」初回記事はこちら→ 庭と暮山①:自慢の豪邸?しかも理想の庭付き⁉︎ )



大将と夫と暮山

外にいる作業員さんたちから見えないようにソファの陰でヨガをやっていると、夫が帰ってきました。

庭が気になったのか、いつもよりずいぶんと早い帰りです。

庭はすでに地面がきれいにならされ、人工芝が敷かれていました。

夫と室内から庭を眺めていると、大柄なおじさんが作業の手を止め、無邪気な様子でこちらに手を振ってきました。


(おじさんが親戚でもない大人に向かって無邪気に手を振るって、日本では滅多に見ない光景ですよね…。

彼の手の振り方は本当に『無邪気』という表現がぴったりで、少し面白かったです。)


夫がそれに応えて庭に出ると、二人で何やら話をしていました。

話し終えた夫がまた室内に戻ってきます。

夫

今日はもう暗くなっちゃうからそろそろ終わりにするって。

明日、人工芝の仕上げと小さいスペースに植物を植えたら終わりらしいよ。


それにしても庭がきれいだとやっぱり気分が良いね!!!


暮山もきれいになった庭を見て感心していましたが、夫は暮山以上に嬉しそうでした。

満足げにいつまでも庭を見つめる夫を見て、暮山は心から思いました。

お金はかかっちゃったけど、やっぱりお願いして良かったな。


せっかくの庭が荒地のままでは、暮山夫妻の心がどんどん荒んでしまうところでした。



次の日、虫コナーズのおじさんはやって来ませんでした。

朝、前日と同じ時間になると、作業員のみなさんが昨日と同じようにひょいひょいと柵を乗り越えて庭に侵入してきます。

もう事務方の確認事項はないし、作業員が急に柵を乗り越えてやって来てもお客さんも驚かないでしょう、という判断なのですね。

うーん、合理的・・・?


昨日の大柄なおじさんが、またしても室内にいる暮山に向かって無邪気な様子で手を振ります。

(どうやら彼は単に無邪気に手を振っているわけではなく、依頼主に話したいことがある時にそのアクションを取るようでした。)

今日は虫コナーズのおじさんに変わり、この大柄なおじさんが暮山に確認をする役割のようです。

大柄なおじさんはどうやら現場作業のリーダーのようなので、暮山は勝手に彼を「大将」と呼ぶことにしました。


大将は、小さなスペースに植える予定の植物を見せてくれました。

暮山が事前に指定していたのはデザートローズという植物とサボテンだったはずなのですが、見せてもらったのはデザートローズと、名前のわからない謎の植物でした。

暮山
暮山

・・・すみません、私がお願いしたのはデザートローズとサボテンです。

その植物(名前がわからないやつ)はお願いしていないと思うのですが・・・。

大将
大将

おや・・・そうでしたか。

それならサボテンはすぐに追加で買ってくることにして、全部植えちゃいましょう。

この植物(名前がわからないやつ)はプレゼントです。

あなた方はとても良い人だから。

暮山
暮山

・・・えぇ!?

プ、プレゼント・・・?

(なぜ…?)

大将
大将

はい、そうです。

あなた方は良い人だから。

この植物(名前がわからないやつ)と、砂が飛ばないように敷くこの白い小石はプレゼントということで追加料金なしにします。


大将が何をもって暮山夫妻を良い人間と評するのかは、うまく理解できませんでした。

良い人間と言ってもらえるようなことをした覚えは特にないからです。

そして、持ち帰ればまた次に商品として使えそうな、例の名前のわからない植物をなぜそんなにも暮山夫妻の庭に植えたがるのかについても、暮山にはよくわかりませんでした。

(もしかしたら、ただ単に持って帰るのが面倒だっただけかもしれません。)

しかし、昨日からの作業員のみなさんの真面目でていねいな仕事ぶりと今目の前にいる大将の話しぶりを見るに、調子の良いことを言ってあとでお金を取ろうなどと考えているようにも思えません。

暮山は大将のご厚意を素直に受けることにして、サボテンだけ追加するというプランに同意しました。



大将はすぐにサボテンを手に入れて戻ってきました。

大将
大将

大きいのは随分と高かったから小さい方にしたんだけど・・・。

ちょっと小さすぎますかね?

暮山
暮山

いえ、小さい方が良いのでまったく問題ありません。

的確なご判断、ありがとうございます。



2日目の作業は短時間で終わり、庭はお昼ごろには完成しました。

最終チェックのため、大将はまたしても室内の暮山に無邪気に手を振って呼んでくれます。


庭は美しく整えられて、見違えるようでした。

あの荒れ果てた砂地の面影は、もうどこにもありません。

暮山が大変満足していることとお礼を伝えると、作業員の方たちは瞬く間に柵をひょいひょいと飛び越えて帰って行きました。

大将は最後まで

大将
大将

・・・やっぱりサボテン、小さすぎましたかねぇ・・・?

と言って、サボテンのサイズを気にかけながら帰って行きました。



(次の記事はこちら→ 庭と暮山 おまけ:大将の良い人認定のワケ&あの男の素顔について )





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