暮山の敵たち④:アリ駆除は地獄行きの罪…?アリ駆除編完結

暮山の敵その2:アリ 前回までのあらすじ

豪邸への引越しを果たした暮山夫妻。

引越し当日の夜、多数のアリがリビングに侵入しているのを発見。

大量のアリたちが室内に潜んでいるかもしれない恐怖と戦いつつ、俊敏な動きで掃除とチェックをしてから眠りにつく。

その後もたびたび室内に出没するアリたちに悩まされる暮山は、自作の「ホウ酸シロップ」を使ってのアリの巣全体の殲滅をもくろむ。

しかしネット上の「アリは食物連鎖に重要な役割を果たしている」との記載を見て己の罪深さを自覚し、悔い改める暮山。

暮山家のホウ酸シロップ作戦は闇へと葬られ、アリとの戦いが泥沼化する気配がただよう暮山家であった。

 

(アリとの戦い 初戦はこちらから→ 暮山の敵たち② )

(「暮山の敵たち編」初回記事はこちら→ 暮山の敵たち① )

 

敵その②:アリ(続き)

アリの巣全体の殲滅を図るのは見送ったものの、暮山夫妻はしょせんしがない人間

やはり室内にいるアリをそのまま見過ごすことはできませんでした。

毎日のように多数でなだれ込むアリたちを相手に、ある時は素手で、またある時は文明の利器(セロテープとか掃除機とか)を用いて果敢に戦いに挑みます。

その容赦のない様は、まるでキリシタンへの激しい弾圧を行った豊臣秀吉公のよう。

残虐にふるまいつつも、暮山の心中は複雑です。

心の中に例の言葉がしっかりと刻まれてしまっているからです。

 

− アリは食物連鎖に重要な役割を果たしています。

 

無慈悲にアリの大量虐殺を実施してしまった後は、アリを擬人化した妄想が止まりません。

 

【以下、暮山の襲撃直前のアリたちの会話(想像)】

 

アリA:このちょっと甘いのなにかしら。美味しいわねぇ。

 

アリB:本当ねぇ…昨日の煮物の残りがこぼれたやつかしら…?美味しいわね!

 

アリC:私たち、いつも家族のために一生懸命働いてるんだから、たまには家族のことは忘れてこうしてゆっくりランチするくらい良いわよね。

 

アリD:そうよね〜たまには良いわよね。

 

アリB:それにしても本当に美味しいわねぇ…うちのチビたちの好きそうな味だわぁ。お持ち帰りできないのかしら。

 

アリC:あら、良いわね!ちょっとくらい持って帰りましょ。

 

アリD:ちょっとあなたたち、家族のことは忘れて なんて言ってたのに、結局家族の話になっちゃってるじゃないの。

 

アリB&C:あらやだ、本当だわ!

 

全員あっはっはっは!!

 

…思えばアリたちはなにも悪いことをしているわけではなく、むしろ家族のために一生懸命働いているだけなのでした。

アリたちが常にせっせと働いているように見えるのも、本来専業主婦として家の環境を整えるべき立場なのにあらゆる場所の掃除をサボりがちな暮山としては余計に心が痛みます。

しかしやはり、ふと気付いたとき室内にアリたちがいるのを発見すると

 

キーーーーー!!

 

と、なりつつ鬼の形相で攻撃せずにいられないのです。

暮山、引越ししてから今までで一体いくつの小さなたったひとつの命のともしびたちを消してしまったことか…。

暮山はおばあちゃんになって死んだ後は、三十代の頃の無数の殺生のせいで地獄にいかねばならぬのかもしれません。

「地獄」ていう絵本にも、

生き物をいじめたりちゃんとお世話をしなかったりした人は地獄に落ちる

みたいな描写があったような。

 

地獄で苦しむのはいやだな、そうなったら夫が助けに来てくれないだろうか。

 

…あ、夫も殺生してるから助けに来られないな…夫婦仲良く地獄行きかぁ…。

 

暮山、専業主婦のため一人自由に過ごす時間が無限のようにあり、妄想が果てしなく続いてしまいました。

最近になって、アリたちの侵入経路を夫が目ざとく発見し、ある程度の侵入ポイントについては閉鎖することに成功しました。

また、経路をふさぐのが難しい窓枠には、試しに旅行に出かける際、結界をはるイメージで殺虫剤を吹き付けてみました。

試行錯誤のかいあって、以前よりはアリたちが集団で室内にいるのを見る機会が減りました。

妄想で心を痛める機会が格段に減り、心の平穏を取り戻しております。

(それでもたまに室内でアリを発見してしまい、やはり鬼の形相で潰したりしているのですが。)

今後は無用な殺生は極力避け、善行を積むよう努力することで、夫婦そろっての地獄行き回避を願うばかりです。

そんなことを考えつつ、暮山は今日も室内にアリたちがいないか目を光らせて暮らしています。
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