メイドと暮山②:海外で料理するのがハードな理由

前回のあらすじ

家事代行サービスの利用がごく一般的な中東某国では、通いのメイドさんのみならず住み込みのメイドさんを雇う家庭も少なくない。

そんな中東某国で、暮山夫妻は豪邸の借家に住んでいる。

広いリビングにキッチン、庭まであるということで、一見すると豪華な我が家に舞い上がり、気分はすっかりエセ金持ち風マダム(マウンティング気味)の暮山。

しかしリビング〜キッチンの距離がやや遠いのが難点と感じた暮山がよくよく家の構造を検証すると、この家は住み込みのメイドさんを雇う前提で設計されたものであることに気がつく。

この家の家事ほぼ全般を担う暮山のライフスタイルはマダムではなくメイドさんのそれと酷似していたのであった。

メイドさんと暮山の異なる点、それは暮山はメイド部屋ではなく寝室で寝起きしているということ。

改めてメイド部屋を眺めてみると、シャワーブースに間仕切りがない・窓がない等、メイド暮山にとってその部屋はあまりに過酷な環境であった。

 

(前回の記事はこちら→ メイドと暮山① )

 

メイド暮山と中東某国でのお料理事情

メイド部屋の過酷な環境にひとり嘆いていると、気がつけば夕方になっていました。

もうこんな時間か…晩ごはんでも作ろう…。

メイド暮山はスキあらばお掃除をサボるという、メイドとして致命的な習性があるのですが、お料理はあまり苦になりません。

というより何より、自分自身少しでもおいしいものが食べたいがためにお料理をしているのです。

したがって、毎日比較的まじめに地味な家庭料理を作って暮らしております。

 

ちなみに中東某国では、日本国内であればどこでも手に入るような食材であっても、手に入るお店が限られる・あるいはいつでも手に入るわけではないということがよくあります。

手に入りにくいものの代表例といえば、例えばニラやごぼうのようなアジア料理もしくは和食らしいお野菜や、イスラム教ではタブーとされる豚肉やその加工品(ハム・ベーコン・ソーセージ等)、そして同じく宗教的タブーであるアルコールが含まれるもの(お酒、みりん等)です。

現地の方以外はどこの国からやってきた人であっても、日本人同様、食品については多かれ少なかれ不自由を感じながら生活していることが多いようです。

特に豚肉とアルコール類が手に入りにくかったり、自国のものとくらべて質が低かったりするというのは、イスラム教徒ではない外国人にとってはなかなか辛いものがあります。

そういったわけで、みんな自国に帰りまた中東某国に戻ってきた時には、山ほど自国の食料品を持って来るのです。

暮山も、毎回日本に帰った時にはスーパーで爆買いをし日本経済に多大なる貢献をしております。

この日の晩ごはんでも、日本から持ってきた食材たちが大活躍しました。

 

   ある日の暮山家の晩ごはん  

  • 実家の母が持たせてくれた干し椎茸入りの炊き込みご飯
  • 実家の母が持たせてくれたパックだしと乾燥わかめを使ったお味噌汁
  • 日本から持ってきた白だしとお酒を使った茶碗蒸し
  • 日本から持ってきたお酒を使った中東某国近海あさりの酒蒸し
  • 野菜サラダ

炊き込みご飯に入れたニンジンは、日本で買った簡単に野菜を千切りにできるキットを使用して調理

 

こうして見ると、実家の母の出現率がやけに高いですね。

結婚しても、三十代を迎えても、海外で生活してもなお支えてくれる実家の両親というのは本当にありがたいものです。

 

さて、話を食材に戻します。

中東某国でお料理を作ろうと思うとき、この国では手に入りにくい食材の存在以外にも難所があります。

比較的どこのスーパーでも手に入るような食材も、日本とは勝手が違うことも多々ある

という点です。

メイド暮山が特に不満を持っている食材は、ナス・玉ねぎ・キャベツの三つです。

順番に理由を説明いたします。

 

  メイド暮山が不満を持っている手に入りやすい食材三選

  • ナス
    日本のナスの4倍はあろうかというサイズ感のものが一番手に入りやすい種類です。
    仕方なく買っていますが、何しろ大きすぎて扱いに困るのでメイド暮山はこいつが嫌いです。
    ナスはあのサイズ感であってこそ、揚げてよし・炒めてよしのおいしいナスなのです。
    そしてサイズ以上に許しがたいのが、総じて品質が悪いことです。
    なんだかとってもシワシワで

    もうわしゃ長くないんじゃ…

    といった風情なのに平気でFresh vegetableとの文字が躍る野菜コーナーに陳列されているのは一体どういったわけなのでしょう。
    何度スーパーの店員さんにナスを片手に詰め寄りたい気持ちになったか知れません。

  • 玉ねぎ
    中東某国では茶色・白・紫の三種類が仲良くそろって並べられているのをよく目にします。
    白いものは茶色のものと大差なく、全く同じように調理できます。
    しかし玉ねぎもやはり総じて品質が悪いのです。
    家に帰り、買って来た玉ねぎを半分に割った時、中心部分が傷んで変色しているのを発見したのは一度や二度ではありません。
    玉ねぎの場合は傷んでいても表面上は分かりにくいため、ナスよりもタチが悪いのです。
    一体どういったわけでこんなにも傷んだ玉ねぎを陳列し続けるのか、何度スーパーの店員さんに玉ねぎを片手に詰め寄りたい気持ちに(以下同文)。
  • キャベツ
    中東某国には、何時間ゆでても全く柔らかくならない魔法のキャベツがあるのです…。
    一度こいつを使ってお味噌汁を作ってみた時、その堅さと不味さに思わず味噌汁椀を床に叩きつけたくなりました。
    キャベツの葉がぎっしりと隙間なく詰まった断面を見て、いかにも堅そうと思ってはおりましたがまさかここまでとは…。
    尋常ならざる時間をかけて火を通したというのに一向に柔らかくなってはくれない、信念すら感じさせるキャベツです。
    数年にわたる格闘の末、メイド暮山はつい最近になって「四角いキャベツ」と称されるものが自身の求めるスタイルのキャベツであることを発見しました。
    信念を持つ堅いキャベツは「丸いキャベツ」と呼ばれるもののようです。
    今後は丸いやつらには近づくまい…と胸に刻みつつ、注意深く四角いキャベツを探す日々を送っております。

 

こうして見てみると、

広くて使いやすいキッチンがあることを差し引いても中東某国のお料理事情は過酷である

と言えるのではないでしょうか。

 

こんなに過酷な環境で過去数年、ほぼ毎日お料理をしてきたのだから、メイド暮山は本物のメイドさんとしても通用するのではないか…?

 

妙な自信が芽生え、お味噌汁に浮かべるネギをみじん切りする手にも力がこもります。

 

(次の記事はこちら→ メイドと暮山③ )

 

 

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