猫と暮山⑤:暗闇でちんまり座る姿…猫もひとりぼっちは不安なの?

前回までのあらすじ

長年圧倒的犬派・猫ぎらいであった暮山は、イタリア人の友人・アンジェラの旅行中にその愛猫の世話を請け負うことになる。

子供のころは動物大好き少女であった暮山だが、実はその動物達からはそのしつこさのせいで忌み嫌われていた。

Google先生の忠告に従いしつこくしないとの言葉を胸に刻みこみ、いざ猫との初対面の場へ。

初めて訪れたアンジェラの家。

欧米人は家の中でも靴を脱がずに過ごす習慣を持つと聞いてはいたが、アンジェラの家はまさかの靴着脱どちらも選択可能スタイル

想定外の事態に、玄関先でまごつく暮山。

なんとか靴を脱ぐ方向で落ち着き、やはりしつこくしないをモットーに猫との親睦を深めることに成功。

具体的なお世話内容についてもレクチャーを受けることができた。

猫のかわいさに一発ノックアウトされた暮山は、お世話開始の日を待ちわびるのであった。

 

(前回の記事はこちら→ 猫と暮山④:その可愛さにノックアウト⁉︎@靴着脱自由のお宅 )

(「猫と暮山編」初回記事はこちら→ 猫と暮山①:動物大好き少女が猫ぎらいの愛犬家になったわけ )

(暮山の友人・アンジェラ初回登場記事はこちら→ 美と暮山②:ネイティブの英語を話す欧米人の美女、参上 )

 

再会〜猫と暮山〜

猫との再会を果たしたのは金曜日のことでした。

イスラム教の安息日が金曜日である関係上、中東某国では金曜日と土曜日が週末・平日は日曜日〜木曜日です。

週末ということで、この日は暮山の夫もお休みでした。

いつもよりたっぷり朝寝して、暮山が作った料理でブランチ。

その後はコーヒーを淹れてダウンロードした映画を見るという、徹底したインドアぶりの暮山夫妻

ゆっくりとした時間を満喫していたら、ふと気づくと夕方になっていました。

暮山は記念すべき第一回目の猫のお世話に行くことにして、映画に続いてYouTubeを見ている夫をおいて家を出ました。

 

アンジェラの家の鍵を開けると、猫が扉の前で待っていました。

 

ごめんね〜、アンジェラたちじゃないんだよ〜。

 

今日から2週間は暮山がお世話するからね♪

 

真顔でじっと見つめる猫に話しかける暮山。

 

暮山、日常的に愛犬相手に話をしていた過去があるので、他の動物にもつい話しかけてしまう癖があります。

うっかりその現場を目にしてしまった見知らぬ人が、暮山と目を合わせぬようにして足早に通り過ぎるのを過去に見て以来、人前で動物に話しかけるのは控えるよう細心の注意を払っております。

 

(ペットを飼っていらっしゃる方は共感いただけるものと信じております…。

……ぇ?まさかそんなことしてるの暮山だけ…?

 

他の人に目撃される心配のないこのお世話期間中は、猫に存分に話しかけることにしました。

 

アンジェラたちは朝出て行ったんだよね〜。

とか

今日はひとりで何して遊んでたの〜?

とか、語尾を伸ばしがちな口調で次々と話しかけます。

後から思い出しましたが、アンジェラ夫妻は普段、家ではフランス語を話しているそうです。

暮山の日本語は残念ながら猫には何ひとつ理解されず、むなしくアンジェラ宅の壁にこだましていただけなのでした。

そんなことにはこの時はてんで気がつかない暮山。

先日レクチャーを受けた内容をひととおりこなしてから、猫と一緒に遊びます。

 

あぁ、やっぱり脊椎動物は意思疎通ができていいなぁ…。

 

カッワイ〜〜❤︎❤︎❤︎

 

などと思いつつ目を細めながら、猛烈な勢いでぬいぐるみに猫キックをくらわせ続ける猫を見守ります。

 

ふと気づくとすでに日が落ちかけていて、あたりは暗くなり始めていました。

今日のタスクは完了したので、名残惜しいですがそろそろ家に帰らなければ。

今日は外に晩ごはんを食べに行こうという約束なので、夫も暮山の帰りを待っていることでしょう。

暮山はいつの間にか窓辺に移動し外を眺めていた猫に話しかけました。

 

暮山、今日はそろそろ帰るね。

 

また明日来るから、良い子にしててね〜。

 

暮山の言葉に、猫は全く反応を示しませんでした。

(フランス語しか分からないのだから当たり前なのですが。)

さっき一緒に遊んだ時のはしゃぎっぷりはどこへやら、じっと窓の外を見つめたまま微動だにしません。

ひょっとして、普段であればアンジェラたちが帰ってくる時間なのでしょうか。

だんだんと暗くなってきた部屋の窓辺で、小さな背中が心細そうにいつまでも何かを待っているように見えて、いたたまれず暮山はそっと玄関のドアを閉めてアンジェラの家を出ました。

 

飼い主が急にいなくなって不安なのかな…。

 

自分の家に戻るエレベーターの中で、暮山はひとり悶々と考えました。

猫は常に人が近くにいなくても平気とは言いますが、大好きな飼い主さんと離れても寂しくないわけではないのでしょう。

アンジェラたちは二週間後に帰ってきますが、猫にはそこまで理解できないために不安になっているのかもしれません。

猫が今この瞬間も真っ暗な部屋でひとりぼっちでちんまりと座って過ごしていると思うと、胸の奥がキュッと痛くなるような気がしました。

 

悶々としながらエレベーターを降りてドアを開けると、なぜか暮山家も真っ暗でした。

夫はどこかへ出かけてしまったのでしょうか。

不思議に思いつつリビングに進む暮山。

 

・・・

 

そこには真っ暗な部屋でひとりぼっちでちんまりと体育座りしてYouTubeを見る我が夫の姿がありました。

 

…えっ…?

 

猫…⁉︎

 

暮山は夫のことを太平洋戦争で無念な死を遂げた旧日本兵の生まれ変わりと信じており、たびたび夫を昔の人扱いしているのですが、この日彼に新たなる通り名を授けることに決めました。

それは 大きめの猫さん。

夫は普通の成人男性なので猫としては規格外のサイズではありますが、こんなにも猫とシンクロするのはもう、彼も猫だからとしか考えられないのです。

 

ところでこの記事を書いている今日も金曜日。

かわいそうな大きめの猫さんは、お休みだというのにオンライン会議の予定を入れられて家でお仕事をしています。

しかしきっと会議が終わって夕方になれば、真っ暗な部屋でちんまりと体育座りをしながら、大好きな歴史物のドキュメンタリー番組を見て週末の夕方を過ごすにちがいないのです。

 

 

(旧日本兵の生まれ変わりであり大きめの猫さんでもある夫の紹介記事はこちら→ 我が家の住人紹介 〜暮山の夫とメイドのルンバちゃん〜 )

 

(続いて「猫と暮山 おまけ編」はこちら→ 猫と暮山 おまけ:おしくらまんじゅうはイヤ!働き方改革を早急に )

 

 

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